東京信用保証協会
2022 新卒採用情報

Special
STORY02 創業支援ストーリー
  • 根津のパン
    シェフ

    野口将義

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  • 東京信用保証協会
    創業アシストプラザ(当時)

    中塚啓太

地域のお客さまに喜んでもらえる
パン屋でありたい。
そのぶれない想いに応え、
ともに地域を盛り立てたい。

建設会社で営業職として活躍していた野口さんですが、30歳になるのを機に、パン職人の道を歩むことを決断しました。
数店での修行を経て、2018年に『根津のパン』(東京・文京区)をオープン。
創業までの経緯、東京信用保証協会との出会いなどについて、当時担当していた中塚とともに振り返ってもらいました。

中塚
野口さんの基本的な考え、店のコンセプトがしっかりしていたから、地元の人にも愛され、メディアにも取り上げられるまでの人気店になったのだと、私は理解しています。
野口
当初から独立、開業を視野に入れ、日本トップクラスのシェフが営む複数の店で約10年間、修行を重ねることができました。ひと通りの技術を身につけたので、出店にあたっては特定のパンにメニューを絞り、単価を上げ、高級路線で展開する選択肢もあったかもしれません。でも、私としては敷居の高いお店よりは、「ふつうの店なのにこんなにおいしいんだ!」と思ってもらえたほうが、楽しくやっていけると思ったんです。クオリティを高く保ちながらも、お手頃な価格で、いろいろなパンを出す。このほうが作る私も楽しいし、お客さまも楽しいかなと思って。いまは地元の方たちが毎日のように来てくださるので、すごくありがたいです。
中塚
まさにそこの部分、私が担当としてもっとも共感したところでした。野口さんは根津に出店する際、当時はここの商店街にパン屋がないことを知り、なおのこと地元の方に喜んでもらえるような店にしたいのだと、創業計画書にもしっかりと明記されていました。私は地域社会や地域経済に貢献していくことが事業活動の本質だと考えてきました。ですから野口さんの計画書にその記載を見つけたときは、野口さんをしっかりと支援することで、私も地域を盛り立てるお手伝いがしたいと素直に思いましたね。
野口
ありがとうございます。開業にあたって最も大変だったのは資金面でした。ここでも物件を紹介してくれたNPO法人の方が地元の信用金庫を紹介してくれて、そこでいろいろと手続きを進めていたら、「次は東京信用保証協会さんに行ってください」と。「また審査?」という感じで正直、気が重かったです。でも、これはあとでわかったことですが、担当の中塚さんが私の知らないところですごくサポートしてくれていた。だから事業者、経営者としての実績がまだない私にも、信用金庫が融資してくれたんですよね。
中塚
いやいや。野口さんに関しては、私は取り立てて特別なことをする必要もありませんでしたよ。いまの業績、上げられている成果も、僭越ながら当然の結果だと思っているくらいです。ただ、金融機関では過去の実績を踏まえて融資を行うことが多いので、創業支援、つまり実績をもたない人に対する融資については、どうしても慎重にならざるを得ません。この点で融資を受ける人にとってはハードルが高くなってしまうのですが、そこを当協会が保証することで、金融機関も安心して融資を実行できるというのは確かです。
野口
中塚さんが創業計画書を精査し、最初の面談を重視されている理由も、そこにあるわけですね? 事業の実績がまだない以上は、計画の中身と事業者の人となりくらいしか、判断根拠となるものもありませんから。
中塚
おっしゃるとおりです。でも、野口さんの審査はスムーズでした。創業計画そのものが詰め切れていないことも多いので、私たち担当者も一緒に計画を立てていくところから業務がスタートすることもあります。ところが、野口さんは原価がいくら、売価がいくら、客単価がどれくらい、1日の来店数はこれくらいを見込んでいるから、売上もこのくらいといった具合に、きちんと数字を積み上げてあり、それもお人柄同様、かなり堅実な数値となっていました。だから私も担当として、その一つひとつを確認し、当協会として保証支援できる旨を信用金庫に連絡したに過ぎません。
中塚
いまのご指摘、まさに当協会の課題であり、あらためて注力する必要があると再認識しました。実は当協会では、創業支援の専門部署として『創業アシストプラザ』を全支店で展開し、ご相談や保証の申込を受け付けています。さらに言うと、創業に必要なノウハウや経営に役立つ知識などを習得いただく『創業セミナー』や、具体的なビジネスプランをお持ちの方を対象に、「人に見せて話せる」創業計画書の作成を目指していくといったゼミ方式の『創業スクール』などもメニューとして用意してはいるんです。ただ、もっと多くの方に知っていただく努力が必要ですね。
野口
そうなんですね、それは知らなかった。そういうメニューがあること、そして何より保証協会の存在そのものをもっとアピールしてもらえると、これから独立、開業する人たちもすごく助かると思います。私について言えば、パンに関する知識、技術は玄人でも、店の創業や経営については素人同然。まして「資金を借りて事業をする」というのは初めての経験であり、少なからずプレッシャーも感じました。それにいまはコロナ禍ということで、さまざまな補助制度が設けられましたが、どの制度を利用することができるのかも正直、よくわかっていません。たぶん、こうしたことは私に限ったことではないと思うんですよね。
中塚
おっしゃるとおりだと思います。ですので相談事があれば、まずは公的機関である当協会にご相談いただけるよう、私も活動を強化していきたいと思います。信用保証が私たちのメイン業務ではありますが、突き詰めれば一人ひとりの経営者、一つひとつの企業と向き合うことが協会職員の社会的使命だと考えていますので、多くの方々に頼りとされるよう努めていきたいと思います。仮に当協会に知見、ノウハウがないことであっても、私たちは中小企業診断士をはじめ、会計士や弁護士といった専門家の人たちの力を借りながらサポートすることもできますので、そこもアピールしていきたいと思います。
野口
それは私にとっても心強いです。職人としては独り立ちできましたが、経営者としてはまだまだ未熟な点もあると自覚しているので、何か経営課題が浮上したときには、ぜひ相談させてもらいます。それと私の後輩、スタッフのなかにも、いずれは独立、開業したい人も出てくるかもしれませんので、そのときは迷わず保証協会を紹介させてもらいますね。
中塚
はい、いつでもご連絡ください。私たち協会職員は職務であると同時に、野口さんとこうして知り合えたように、私たちにとっては人とのつながりは人生の財産でもありますので。