学生時代、社交ダンスの活動を通じ、様々な年代の方と交流を深めました。そこには、中小企業の経営者も多く、彼らから会社経営の話を聞いたことが、卒業後の進路を考える大きなきっかけとなっています。経営者の方々はみなさんパワフルで、経営への並々ならぬ情熱を持っています。“経営者魂”とも呼ぶべき熱意に触れた私は、やがて「中小企業を支援したい」「人や社会に貢献できる仕事に就きたい」と願うようになりました。入協後は、本店保証部と大田支店で保証業務に計6年間従事しました。保証申込のあったお客様と直接向き合うたびに、私は学生時代に抱いた想いをさらに深めていきました。「目の前のお客様のために、協会職員として何ができるか」__この点を突き詰めていく中で、私自身のキャリアプランが見えてきたのです。
大田支店に在籍していた頃のこと。担当したあるお客様が、業績悪化に悩んでいらっしゃいました。私はこのお客様の経営に対する不安を何度もお聞きし、どうすればお役に立てるだろうかと自問自答を続けました。「業績が悪化したお客様の経営改善に貢献できる職員になる」という明確な目標を掲げたのです。その後、経営支援課に異動。現在は経営改善の取り組みの1つとして、経営サポート会議の開催及び特定社債保証の審査業務を担当しています。経営サポート会議は、当協会がお客様の早期経営改善を目的に行っているもので、お客様の取引先金融機関を一堂に集めて、経営状況や経営方針に関する報告を行います。事業計画書や経営改善計画の立案の支援も行っており、こうした機会を設けることで、お客様自身が前向きに経営に取り組む姿勢が形成されます。また、経営改善計画策定後も定期的にお客様を訪問し、計画書通りに事業を進めているかをモニタリングしていきます。
特定社債保証の審査業務は、比較的事業規模の大きなお客様を対象としたものです。社債発行による資金調達を考えているお客様に対して、保証の諾否を判断します。このほか、経営支援課では企業のマッチングを行うビジネスフェアを毎年開催し、毎回300社近い中小企業が出展して、新しいビジネスの創造につなげています。
整理部の業務が債務整理を通じてお客様の再建を図るのに対して、私たち経営支援部の業務は、新たな資金を投入して、経営支援により業績回復を目指します。通常は、お客様からいただくご相談をきっかけに経営支援を始めることが多いのですが、他部門から寄せられた情報をもとに、お客様にアプローチして経営改善に取り組むことも少なくありません。先ほど述べた目標実現のためにも、今後は中小企業診断士などの資格取得を目指し、1社でも多くの企業の経営改善をサポートしていきたいですね。